感情と意志 2023年 9月 9日
今日一日の生活を始めるにあたって、どんな準備をされていらっしゃいますか?
何となく起きて、その日の気分で生活が始まっているということはありませんか?
今日一日を実り多いものにしようと考えるならば、それなりの準備が必要となります。
古代ローマの哲学者エピクテトスの言葉に
「正しき成就は正しき実行の実りであり、正しき実行は正しき準備の花である」という言葉があります。
まずは一日にあたり正しい準備をすることになるわけです。
正しい準備とは、宇宙真理に順応した生き方を目指すということです。
言い換えれば真善美に悖らない、尊く、強く、正しく、清い考え方になっているか、
これを朝いちばんに準備してしまうことなのです。
一歩を踏み出す前に、この心もちを確立させてしまうことです。
よしこの心持で行くぞと決めたなら、次は実行にはいるわけですが
実行にあたっての目算を立てる必要があります。
1日にできる量を10としたら、その7~8を目標として定めることです。
10を10やるということは、何かが起こるのが人生ですからその分を見込んでおく必要があるわけです。
力でそうしないと目論んだのにできなかったという結果になってしまいます。
そして、目論み立てたらいよいよ実行となるわけです。
ここで特に注意を要するのが、感情に任せてやり始めてしまうことです。
感情任せでは、気持ちの良い時はスムーズに進むかもしれませんが、
いざ不調や逆風に遭遇したらたちまちに停滞してしまう恐れがあります。
一日を振り返って、あれが邪魔して思うようにできなかったとか、あそこで、
あんな抵抗があるとはということはありませんか?
感情の赴くままでは、うまくいくほうがたまたまだと言っても過言ではありません。
ご自身の今までの出来ごとを振り返ってみてください。
自分が進歩できた、向上することができたという、成果は感情の赴くままの成果ではなかったはずです。
自分なりに計画を立てて実行していく、苦しい時や辛い時もそれを乗り超えた成果が
いまの現在につながっているはずです。
このご自身を動かす原動力となるものを、認識しているか否かで実行の力も全く違ってきます。
では、何で実行していくかということになるわけです。
人間の心の中でも、霊魂に付随する霊性心から発する意志の力というものがあります。
それは、高い志とか、精魂を傾ける気持ちといったものなのです。
魂に関する言葉は、普段使われています。
精魂以外にも、一球入魂とか闘魂とか、魂から湧き上がってくる力を表しています。
魂は命の本体ですから、脈々と生きつづける力をもっています。
自己の本能から出てくる感情とはもっている力そのものがまったく違うわけです。
この霊魂の力で実行するのだと、自分自身に言いきかせるのです。
この力は、自転車をこいでいる姿をイメージすると、感情まかせでこいでいると気持ち良い時は
すいすい走るが疲れてくると途端にペースが落ちてしまうのに対して、
意志の力でこぐというのは決めた目的地に向けて一定のペースで走り続けることができるようなものです。
こうして実行した結果を一日の終わりに振り返ってみたら
わずかずつでも正しい成就が積み重なってくるはずです。
今日一日、尊く、強く、正しく、清く行動することができた。
明日もまた尊く、強く、正しく、清く行こうと。