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心のナビシステム 
 
                             20171231日 


現在の物質文化の発展は目覚ましいものがあります。最新技術のひとつにナビゲーションシステムがあります。
自ら持っている受信機で宇宙衛星から位置情報を取得し、現在自分がどこにいて、これから行きたい場所に対して、
道順を示し、どう行ったらよいか教えてくれるシステムです。

中には、道の途中の渋滞情報も把握して迂回路を示し最短時間で目的地に到達する方法を教えてくれるものまで
あります。
そしてこの情報をもとに車の自動運転が実現しようとしています。

それに比べて、私たちのこころに対する進歩はいかがでしょうか? 

こころというものが目に見えないだけに、現実問題として、なんら具体的な施策が発明されておらず、世のストレス
から圧迫を受けてうつ病になったり、病に苦しんでノイローゼになったりする方たちの数は、減少するどころか、
増加しているのが現状であります。

こうした時代だからこそ、こころのナビゲーションシステムが必要なのだと思うのです。

見えないこころにたいするシステムですから、物質的なシステムではありえないのです。こころの思考にたいして
行える方法は見えないやり方の徹底でしかないのです。


いまから、その方法についてご説明していきたいとおもいます。

まず第一番が、GPSで現在位置を見るように、こころの現在位置を見る方法です。今の自分は、怒っているのか、
悲しんでいるのか、喜んでいるのかを、客観視することから始まります。

あー今の俺は怒っているな。あー今の私は落ち込んでいるな。とかです。

特に、マイナスの感情に対しては早めにこの目で気が付くことが重要なのです。いつまでもマイナス感情を持ち
続けていると、結局はこの感情に自分自身を引き摺り回されてしまうことになるのです。感情のとりこになった
人生を送るのはレベルの低い人生と言わざるを得ません。感情をコントロールしきって、自らを客観視して生きる
人生は一段階レベルの上の人生ということができるのです。第三の目という言葉があります。仏像の眉間のところ
にある目、この目こそが自分を客観視する習慣が確立された人に適用されるもので、心眼が開けた人ともいうわけ
です。

ナビのGPSに相当するのがこの第三の目に相当するわけです。

次に、必要なのが目的地への道順の表示になります。
心のナビでは、思考がキーになります。まずは、ご自身のこころがどちらに向かいたいか。なにをやりたいのかを
考えます。ここまでは、当たり前のように思えますね。ナビのシステムと一緒で行きたいところに着くまでは目的
地は変更せずに維持しつづけますよね。これと同じに思ったことは持ち続けることが重要になります。そして、
ここからが重要なのですが、その思いが、ご自身の潜在意識に透徹するまで強烈に描くことなのです。

潜在意識に透徹してしまえば、あとは、簡単なもので潜在意識がご自身を向かいたい場所に黙っていてもつれて
行ってくれるのです。
信じられないと思わずに、まずやってみることです。


次に、必要なことは、ナビシステムの地図にあたる部分になります。
地図は常に最新なものでなければ役を果たさなくなってしまいます。

心についても、同様でこころの状態を日々新しく正しいものに保っておかねばならないのです。
潜在意識に透徹した思いは、正しいものであれ、悪いものであれ、実現する様に動き出しますので。
自らのこころを正しい状態に置いておいて、誤った思いを目的としてしまわないようにすることなのです。

そのために、意識することは何なのでしょうか。それは日頃の考え方を、我欲や我執から考えないようにする
ことです。情け深いこころで考える姿勢を保っていれば、目的が誤った方向へ向かう心配はありません。


第三の目が開けてきたら常に心の状態を観察して、いつも正しい状態であるように努めていくことです。

まとめますと、心のナビゲーションとは


1.自らのこころを客観視できる目をもつこと。

2.潜在意識に透徹する思いをもつこと。

3.こころを我執を離れた情け深い状態に置いておくこと。

になります。