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未知の認識 2017年 3月31日
私たちの日常生活は、不便の無い様に人間が長い間をかけて築き上げてきたものです。ですから、いろいろなところ
で辻褄が合うように作られています。たとえば、お金と物の交換の仕組み、医者と患者の関係、会社における組織運
営の仕組み。
どれも長い間、人間が便利に暮らせるように作られた仕組みです。
私たちは、ものごころつくと間もなく、学校で教育を受けます。
そこで教えられることは、人間が作り上げた仕組みをより理解しやすくするための教育であるといっても過言ではな
いように思います。
1+1=2 は当然の様に学んでいくわけです。そして、学校で学んだことがすべてわかれば、世の中のことがおお
よそ理解できたような気になってしまうのです。ひとつ間違うと、今の医療にかかったらすべての病が治ってしまう
ような錯覚に陥ったり。人知を尽くせばなんでもできると勘違いしてしまうこともあるのです。
でもそれは、人間の実態を正しく把握しているものとは言えないのです。
分ろうとする態度そのものはとても大切なものですが、全てがわかったものの中にいると思い込んでしまうことには
注意をしなければならないということなのです。
この実態を正しく把握して、その上に生き方を定めていくことこそが本当の生き方と言えるのではないでしょうか。
世の中には、まだまだ分からないことが沢山あります。
これから、わかる事もあるでしょうし、人類が生存している間ではわからない事もあるでしょう。そうした実態の中
で生きていると実感することに自分の立ち位置を定めることが重要なのです。
では何が、わからないかということでいえば、まずは、時の始まりと終わりです。
この宇宙は、138億年前にビックバンという現象で始まったといわれています。ですから、138億年を超える前の時
は、現在の宇宙が存在していないのですから全く意味をなさない。また考えようもないのです。
現在の科学の力では定義のしようがないというべきなのでしょうか。
この世の中の物質についても、原子、分子と解明されたようでありますが、実態の95%以上はブラックホール、
ブラックマターという全く未知の物体で占められているのです。ですから解明されているのは我々の身の回りのごく
一部に過ぎないのです。
それでは、私たちの身近に目を移してみましょう。
まずは、生きているという不思議な現象です。ご自身は何で生きていられるとお考えでしょうか、身体ですか?
身体だとしたら悪くなったら入替えればいつまでも生きていられそうなものです。今の医療なら大概のものは移植
できるようになりました。でも、いくら入替えても生き続けるわけにはいかないのが生物の実態です。
では、心でしょうか? こころは確かに体をコントロールする中枢に位置しています。でも、こころだけは生き続け
るわけにはいかないのです。
どんなに強い心を持った人でも死なない生命を獲得した人がいないことで明らかです。こうしたことから考えると、
人を生かしているのは、正に霊魂だと実感できるのではないでしょうか。ただその実態は今の人間には解明しきれて
いないのが実態なのではないでしょうか。
皆さんもご自身の身近な方が亡くなられるとき、あきらかに霊魂が離れていった時を実感されていると思います。
ただこれを振りかざして話をしていると、周りからおかしな人、宗教崇拝者と距離を置いて見られてしまします。
でも、こうした考えは間違いではありません。こうした、霊魂の力で生きているという考え方は、ご自身の生きて
いる位置を客観的に看る上でとても大事なことだとおもいます。
わからないことが沢山ある人生を、わかるように努めつつ、いまの立ち位置を客観的に眺めて生きていくということ
が、ご自身の生きているレベルを1段階上に引き上げてくれることになると思うのです。